2013年9月1日日曜日

「世の中に絶対はない」を93年有馬記念で教えてくれたトウカイテイオーが逝去した

トウカイテイオーが亡くなった。25歳で心不全とのこと。

私にとってのトウカイテイオーといえば、それは帝王復活の93年有馬記念である。初めて予想をしてレース観戦をしたのがその有馬記念であった。

もちろん、トウカイテイオーという名前は競馬素人であった私も知っていた。無敗の二冠馬であったこと、何度も骨折をしていたこと、今回も骨折一年ぶりのレースであること。競馬素人の私にも常識はあった。「一年ぶりでG1を勝利することは絶対できない。」

ビワハヤヒデ断然、ライバルもレガシーワールドで決まりというのが当時の下馬評であったが、サンスポを熟視しながらビワハヤヒデを倒すことができる馬を探し続けた。ウイニングチケットが候補筆頭。何度見直してもトウカイテイオーは目に入らなかった。常識は絶対であった。

あのままビワハヤヒデが先攻抜け出しで勝利していたら競馬を20年以上も続けるほどのめり込むことは無かった。直線でビワハヤヒデを並ぶ間もなく抜き去ったあの脚は今でも忘れがたい。

あれから20年。今では「競馬に(世の中に)絶対はない。」ということを痛切に感じているのでG1で1.2倍が敗れても驚くことはなくなった。また絶対、常識と思われていることに疑問符を投げるようにもなった。

「世の中に絶対はない。」この貴重な教訓を残してくれた最初の馬がトウカイテイオーであった。

ps
最近、藤田騎手がその著書において、あのときの田原成貴の涙は嘘だったということが暴露されている。たとえそうであったとしてもトウカイテイオーの与えた衝撃や感動は決して色あせることはないと思う。

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